ガソリン税の内訳:1 リットルにかかる揮発油税・地方揮発油税・石油石炭税・消費税と、暫定税率の廃止(ガソリン 2025 年 12 月 31 日・軽油 2026 年 4 月 1 日)
ガソリン 1 L にかかる税(揮発油税・地方揮発油税・石油石炭税・消費税)の内訳と、税に消費税がかかるしくみ、いわゆる暫定税率(特例税率)の廃止の日と廃止前後の税率、軽油引取税、2026 年 3 月からの燃料油価格の緊急的激変緩和措置(補助金)を、国税庁・財務省・e-Gov 法令・資源エネルギー庁・都道府県の資料で整理します。
ガソリン 1 L には、揮発油税と地方揮発油税(合わせて 28.7 円)、石油石炭税(地球温暖化対策のための税を含めて 2.8 円)がかかり、それらを含んだ価格に消費税(10%)がかかります。いわゆる暫定税率(揮発油税等の特例税率)は 2025 年 12 月 31 日に廃止され、それまでの揮発油税等 53.8 円が 28.7 円になりました。軽油の暫定税率(軽油引取税の特例税率)は 2026 年 4 月 1 日に廃止され、32.1 円が 15 円になりました(いずれも 2026 年 10 月時点・国税庁・群馬県の資料)。
ガソリン 1 L にかかる税の内訳
| 税 | 国・地方 | 1 L あたり(2026 年 10 月時点) | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 揮発油税 | 国 | 24.3 円 | 国税庁(本則税率 1 kL 24,300 円) |
| 地方揮発油税 | 国 | 4.4 円 | 国税庁(本則税率 1 kL 4,400 円) |
| 石油石炭税(地球温暖化対策のための税を含む) | 国 | 2.8 円 | 租税特別措置法 第 90 条の 3 の 2(原油・石油製品 1 kL 2,800 円) |
| 消費税・地方消費税 | 国・地方 | 価格の 10% | 上の税を含んだ価格にかかる(下の節) |
- 揮発油税と地方揮発油税は、ガソリンを製造場から出すとき・保税地域から引き取るときに、製造者・輸入者が納める税です。沖縄県内の製造場から出すガソリンは軽減されています(国税庁)。
- 石油石炭税は、原油や輸入した石油製品にかかる税で、石油石炭税法の税率は 1 kL 2,040 円(第 9 条)です。2012 年 10 月から、CO2 の排出量に応じた「地球温暖化対策のための税」が上乗せされ(環境省)、今は 1 kL 2,800 円です(租税特別措置法 第 90 条の 3 の 2)。
- 給油所の価格は資源エネルギー庁の調査で毎週出ています。
| 燃料 | 全国平均(現金・税込) | 調査日 |
|---|---|---|
| レギュラーガソリン | 170.2 円/L | 2026-10-05 |
| ハイオクガソリン | 181 円/L | 2026-10-05 |
| 軽油 | 159.6 円/L | 2026-10-05 |
出典: 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」給油所小売価格(全国・現金・税込)(取得日 2026-10-11)
| 電気 | 目安単価 | 改定 |
|---|---|---|
| 家庭の電気(目安) | 31 円/kWh | 令和4年7月22日 |
出典: 全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金の目安単価」
税にも消費税がかかるしくみ
国税庁のタックスアンサーは、消費税の課税標準(税をかける元の額)には「酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税など」が含まれる、としています。これらはメーカーなどが納める税で、販売価格の一部になっているからです。
そのため給油所のガソリン価格は、揮発油税等と石油石炭税を含めた額に消費税がかかった額です。
一方、軽油引取税は使う人などが納める税(地方税)なので、請求書や領収書で税額を明らかにして区分していれば、消費税の課税標準に含まれません(国税庁。区分していない場合や、特別徴収義務者でない給油所が売る場合は含まれます)。
計算の例
2026 年 10 月 5 日の調査の全国平均(レギュラー 170.2 円/L・資源エネルギー庁)で、税の内訳を計算すると次のとおりです。
| 内訳 | 1 L あたり |
|---|---|
| 消費税・地方消費税(170.2 円 × 10/110) | 約 15.5 円 |
| 揮発油税・地方揮発油税 | 28.7 円 |
| 石油石炭税 | 2.8 円 |
| 税の合計 | 約 47.0 円 |
この時期のガソリン価格には、次の節の補助金による引き下げが入っています。
暫定税率(特例税率)の廃止
ガソリン:2025 年 12 月 31 日
国税庁の案内では、2025 年(令和 7 年)12 月に租税特別措置法の一部が改正され、揮発油税と地方揮発油税の特例税率(合わせて 53.8 円/L。いわゆる暫定税率)が廃止されました。
| 期間 | 揮発油税 | 地方揮発油税 | 合計(1 kL あたり) |
|---|---|---|---|
| 2025 年 12 月 30 日まで(暫定税率) | 48,600 円 | 5,200 円 | 53,800 円 |
| 2025 年 12 月 31 日から(本則税率) | 24,300 円 | 4,400 円 | 28,700 円 |
1 L あたりにすると、53.8 円から 28.7 円へ 25.1 円下がりました。改正したのは令和 7 年 12 月 5 日法律第 81 号です(租税特別措置法の附則)。財務省も関係する省令(令和 7 年財務省令第 68 号など)を改正しています。
軽油:2026 年 4 月 1 日
軽油には国の揮発油税ではなく、都道府県の軽油引取税がかかります。群馬県の案内では、2026 年 3 月 31 日に地方税法の改正案が成立し、軽油引取税のいわゆる暫定税率が廃止されました。
| 期間 | 軽油引取税(1 L あたり) |
|---|---|
| 2026 年 3 月 31 日まで | 32.1 円 |
| 2026 年 4 月 1 日から | 15 円 |
軽油引取税は、特約店などが実際に軽油を納入した時点の税率が使われるので、4 月 1 日以後に納入した軽油から 15 円です(群馬県)。軽油にも石油石炭税がかかります。
燃料油の補助金(緊急的激変緩和措置)
税とは別に、国は燃料油の元売りに補助金を出して小売価格を抑えています。資源エネルギー庁の資料で確かめられた経過は次のとおりです。
- 2025 年 11 月 13 日から: 暫定税率の廃止まで、ガソリンの「定額引下げ措置」を段階的に拡充(11 月 13 日 15 円、11 月 27 日 20 円、12 月 11 日から 25.1 円)。ガソリンへの補助は暫定税率の廃止(12 月 31 日)で終わりました。軽油は暫定税率の廃止まで、暫定税率に相当する 17.1 円の補助でした。
- 2026 年 3 月 19 日から(緊急的激変緩和措置): イラン情勢を受けて、ガソリンの全国平均小売価格が 170 円程度を超える見込みになったら、超える部分を全額(10/10)補助します。軽油・重油・灯油はガソリンと同じ額を補助します。
- 支給単価: 2026 年 10 月 8 日以降、ガソリン・軽油・灯油・重油とも 1 L あたり 42.4 円です(資源エネルギー庁の特設サイト。支給単価は改定されます)。
補助金は税ではないので、税の内訳には入りません。ただし補助で卸の価格が下がると、店頭の価格と、その価格にかかる消費税の額も下がります。
決まっていないこと
資源エネルギー庁の資料は、緊急的激変緩和措置について「事態が長期化した場合には、今後とも支援の在り方を柔軟に検討する」としています。終わる日や支給単価の先行きは決まっていません。最新の支給単価は特設サイトで確かめてください。
車の維持費への影響
燃料代は「年間の走行距離 ÷ 燃費 × 単価」で、単価にはここまでの税と補助が入っています。燃料の種類ごとの違いは レギュラーとハイオクと軽油の記事、価格の推移は ガソリン価格の推移の記事、維持費全体は 車の維持費の記事 にあります。車にかかる税(自動車税・重量税)は 自動車税の記事 と 自動車重量税の記事 へ。
この記事に出てくる用語
- ガソリン税 — ガソリンにかかる国の税金で、揮発油税と地方揮発油税をまとめた呼び名。ガソリンが製造場から出荷されるときにかかり、店頭の価格に含まれている。
- 石油石炭税 — 原油・石油製品・天然ガスなどのガス状炭化水素・石炭にかかる国の税金。国内で採取されるときや輸入されるときにかかり、ガソリンの価格にも含まれている。
- 地球温暖化対策のための税 — 石油・天然ガス・石炭といった化石燃料の利用に、CO2 の排出量に応じて負担を求める税。石油石炭税の税率に上乗せする特例として、段階的に導入された。
- 暫定税率 — ガソリンの揮発油税・地方揮発油税と軽油の軽油引取税に、本来の税率(本則税率)より上乗せされていた税率。法令上は「当分の間税率」「特例税率」…
- 軽油引取税 — 軽油を元売業者や特約業者から引き取るときにかかる都道府県の税金。道路整備や交通安全などの行政サービスと軽油の使用者との関係に着目して課される。
- SS — サービスステーションの略で、車にガソリンや軽油を給油する店(給油所)のこと。ガソリンを売る事業者は品確法に基づく登録が必要。
- 石油ガス税 — 自動車の燃料に使う LP ガス(石油ガス)にかかる国の税金。自動車用の容器に充てんされる石油ガスが対象になる。
- 車両本体価格 — 販売店が、メーカーの標準仕様のままの車を店頭で引き渡すときの、消費税込みの現金価格につける名前。付属品や特別な仕様を付けて売るときは、その…
- 燃料油価格の激変緩和措置 — 燃料油の価格が急に大きく動かないよう、国が石油元売りなどに補助金を出して小売価格を抑える措置。ガソリン・軽油・灯油・重油・航空機燃料が対象…
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