タイヤサイズの見方:「205/60R16 96H」の幅・偏平率・R・リム径・ロードインデックス・速度記号
タイヤの側面にある「205/60R16 96H」のような表示の読み方を、日本自動車タイヤ協会(JATMA)の規格の説明とタイヤメーカーの説明で整理します。純正サイズの調べ方、サイズを変えるときに守ること(ロードインデックス・外径)まで。
タイヤの側面(サイドウォール)にある「205/60R16 96H」のような表示は、左から「断面幅(mm)/ 偏平比(%)・構造(R=ラジアル)・リム径(インチ)・ロードインデックス・速度記号」です。日本自動車タイヤ協会(JATMA)の規格では、前の 4 つを「寸法構造特性」、後ろの 2 つを「使用条件特性」と呼んでいます。タイヤを替えるときは、同じサイズ、または外径が純正とほぼ同じで、ロードインデックスが純正と同じか上のサイズを選ぶのが基本です。
「205/60R16 96H」を分解する
ホンダ ステップワゴンの主要諸元表に載っている「205/60R16 96H」を例にします。
| 表示 | JATMA の呼び方 | 意味 |
|---|---|---|
| 205 | 断面幅の呼び | タイヤの幅(mm)。総幅から側面の模様・文字を除いた幅 |
| 60 | 偏平比の呼び | 幅に対する高さの比率(%)。「60 シリーズ」とも言う |
| R | 構造記号 | ラジアル構造。バイアス構造は「-(ハイフン)」 |
| 16 | リム径の呼び | 合うホイールの直径(インチ) |
| 96 | ロードインデックス(LI) | 1 本で支えられる最大の重さを表す指数 |
| H | 速度記号 | その重さを負荷した状態で走れる最高速度の記号 |
JATMA の「タイヤの呼びの例」は「195/60R14 86H」を使って同じ並びを図で示しています。ブリヂストンの説明では、ラジアル構造はタイヤの骨格のコード層(カーカス)が中心から放射状に並ぶ構造で、今の乗用車用タイヤの主流です。
ロードインデックスは「1 本あたり何 kg まで」
ロードインデックスは指数で、1 本あたりの負荷能力(kg)が決まっています。JATMA の「Load Index と負荷能力一覧表」から、主な値を抜き出しました(2026 年 10 月時点・JATMA)。
| LI | 負荷能力(kg) | LI | 負荷能力(kg) |
|---|---|---|---|
| 75 | 387 | 91 | 615 |
| 82 | 475 | 92 | 630 |
| 84 | 500 | 95 | 690 |
| 86 | 530 | 96 | 710 |
| 88 | 560 | 100 | 800 |
「96」なら 1 本 710 kg までです。この負荷能力は、規定の条件のもとでの値です(ブリヂストンの説明)。
速度記号は最高速度の記号
| 記号 | 最高速度(km/h) | 記号 | 最高速度(km/h) |
|---|---|---|---|
| L | 120 | T | 190 |
| N | 140 | H | 210 |
| Q | 160 | V | 240 |
| R | 170 | W | 270 |
| S | 180 | Y | 300 |
(2026 年 10 月時点・JATMA の速度記号の表から主なものを抜き出し)
ブリヂストンの説明では、最高速度が 240 km/h を超えるラジアルタイヤはサイズに ZR と書きます(例「245/40ZR19(94Y)」)。JATMA の規格の注では、ロードインデックスと速度記号(使用条件特性)をかっこ付きで書くと、最高速度がかっこ内の速度記号の速度を超えることを示します。
そのほかの表示
- RF・ランフラット: JATMA の規格では、ランフラットタイヤ(セルフサポートタイヤ)はリム径の前に「F」が付きます(例 245/40RF19 94Y)。
- T で始まるサイズ: 「T155/90R17 101M」のような T タイプ応急用タイヤ(スペアタイヤ)。一般のタイヤより高い空気圧で一時的に使うタイヤです。
- XL(エクストラロード)・REINFORCED: 通常のタイヤより高い空気圧で、より大きい重さを負荷できるように設計されたタイヤです。
純正サイズの調べ方
- 今付いているタイヤの側面を見る。ブリヂストンの説明でも、サイズはタイヤの側面に表示されているとされています。
- メーカーの主要諸元表の「タイヤ」の行を見る。グレード・駆動方式でサイズが違うことが多いので、自分の車のグレードの列で確かめます(主要諸元表の見方)。
- 車に貼られた空気圧のラベルを見る。JATMA の空気圧点検の説明では、運転席側のドアを開けた所のラベルに、タイヤサイズと前輪・後輪の指定空気圧が書かれている例が図で示されています。
当サイトでは、車種ページのタイヤの節(例: ノアの車種ページ)にグレードごとの純正サイズを載せ、タイヤサイズの一覧 からサイズごとに使っている車種を引けます(154 サイズ)。例えば 205/60R16 のページでは、このサイズを純正で履く車種とグレードがわかります。
サイズを変えるときに守ること
- ロードインデックスは純正と同じか、それ以上にする。ブリヂストンの説明では、純正より低いロードインデックスのタイヤは、タイヤの損傷やそれによる事故につながるおそれがあるとしています。
- 外径(タイヤの直径)は純正とほぼ同じにする。外径が変わると、スピードメーターの誤差や、車体への接触が起きることがあります(ブリヂストン)。外径はサイズから計算でき、ブリヂストンが示す式は「(断面幅 × 偏平率)× 2 + リム径」です。
- リム幅が合うホイールにする。タイヤ幅はリム幅で変わるので、タイヤメーカーが決めた適合リム幅の範囲の中で選びます。
- 空気圧を合わせ直す。ブリヂストンは、ロードインデックスの負荷能力を、サイズを変えたときに適正な空気圧に調整するための基準としています。サイズを変えたら、そのタイヤで純正と同じ重さを支えられる空気圧に調整します(XL 規格のタイヤは空気圧の設定が違います)。
外径の計算の例
205/60R16 の場合、断面幅 205 mm × 偏平率 60 % = 123 mm が側面の高さで、上下 2 つ分が 246 mm。リム径 16 インチは 406.4 mm(1 インチ=25.4 mm)なので、外径はおよそ 652 mm です。これは規格の呼びから出した計算上の値で、実際の外径はタイヤごとに違います(ブリヂストンはカタログに外径を載せています)。
よくある誤解
- 「偏平率が同じならどの幅でも同じ外径」ではない: 側面の高さは「幅 × 偏平率」なので、幅が変われば外径も変わります。
- 「速度記号が高いほど良いタイヤ」ではない: 速度記号が表すのは、規定の条件で走れる最高速度です(JATMA・ブリヂストンの定義)。それ以外の性能を表す記号ではありません。
- 冬用タイヤでも、チェーン規制のときはチェーンが要る: JATMA の説明では、タイヤチェーンを付けていない車の通行を禁止する規制のときは、冬用タイヤでもチェーンの装着が必要です。
この記事に出てくる車種
この記事に出てくる用語
- 断面幅 — タイヤの総幅から、側面の模様や文字の盛り上がりを除いた幅。タイヤサイズの表示では、最初に書かれる数字がこの幅の呼び。
- 偏平比 — タイヤの幅に対する高さの割合。タイヤサイズの表示では幅の次に書かれ、「○○シリーズ」とも呼ぶ。値が小さいほど、幅に比べて側面の低いタイヤになる。
- リム径 — タイヤがはまるホイールの直径を、インチで表した呼び。タイヤサイズの表示では構造記号の次に書かれ、ホイールの径と同じでなければ取り付けられない。
- ロードインデックス — タイヤ一本が支えられる最大の重さ(負荷能力)を表す指数。指数ごとの重さは、日本自動車タイヤ協会の表で決まっている。
- 速度記号 — そのタイヤが、ロードインデックスの重さを支えた状態で走れる最高速度を表すアルファベットの記号。記号ごとの速度は、日本自動車タイヤ協会の表で…
- ワゴン — 乗る空間と荷室がひと続きになっていて、後ろのバックドアから荷物を出し入れする乗用車の型。ステーションワゴンとも呼ぶ。
- 主要諸元表 — メーカーが車種ごとに、型式・寸法・重量・燃費・エンジンやモーターなどを、グレードと駆動方式ごとに並べた表。多くの行は、国に型式指定を申請し…
- ラジアル構造 — タイヤの骨格になるコード層(カーカス)を、中心から放射状に並べた構造。タイヤサイズの表示では構造記号「R」で示し、今の乗用車用タイヤの主流。
- タイヤサイズ — タイヤの側面に書かれた、幅・偏平比・構造・リム径・ロードインデックス・速度記号を並べた表示。日本自動車タイヤ協会の規格では、前の四つを寸法…
- ランフラットタイヤ — パンクで空気圧が失われても、補強した側面のゴムで重さを支え、決められた速度と距離の範囲で走り続けられるタイヤ。日本自動車タイヤ協会の規格で…