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EV・電動車

EV の急速充電:かかる時間の決まり方(充電器の出力・車の受け入れ・残量・温度)、30 分の区切り、時間課金と kWh 課金、メーカーの充電カード

電気自動車の急速充電の時間は、充電器の出力だけでなく、車側が受け入れられる出力・電池の残量・温度で決まります。経済産業省の充電インフラの指針と資源エネルギー庁の特定計量制度のガイドライン、メーカー公式の充電時間の表から、時間の目安の読み方、80% から遅くなる理由、冬の充電、料金の決まり方(時間課金と kWh 従量課金)、日産・トヨタ・ホンダの充電サービスの仕組みを整理します。

最終更新:

急速充電にかかる時間は、充電する量(kWh)÷ 実際に流れる電力(kW)でおおよそ決まります。実際に流れる電力は、充電器の出力と車が受け入れられる出力の低いほうで、さらに電池の残量(80% を超えると絞られる)と温度(冷えると絞られる)で下がります。料金は、充電した時間で払う時間課金と、充電した電力量で払う kWh 従量課金があり、国は kWh 課金の広い導入を進めています(2026 年 10 月時点・経済産業省)。

時間の決まり方

基本の式

トヨタは、充電時間を「バッテリーの充電量(kWh)÷ 充電器の出力(kW)」で求められると説明し、普通充電でも急速充電でも同じ考え方だとしています(トヨタ「EV(電動車)の充電時間はどのくらい?」)。

出力が上がると時間は短くなる(例)

トヨタが公表している bZ4X の急速充電の時間(電池温度約 25℃で、満充電量の約 10% から 80% まで)は次のとおりです。

急速充電器の出力 時間の目安
50 kW(125A) 約 60 分
90 kW(200A) 約 40 分
150 kW(350A) 約 28 分

(トヨタ公式・社内規定に基づく時間。出力はスタンドの前提で、実際の車両の充電電力は異なる)

車が受け入れられる出力が上限

  • 高い出力の充電器を使っても、車側の上限を超えては流れません。例えばホンダ N-ONE e: は「CHAdeMO 50 kW 対応」、日産 サクラは急速充電器の出力が 30 kW 以上の場合で 80% まで約 40 分と案内しています(各社公式・電池温度約 25℃・残量警告灯の点灯から)。BYD RACCO は急速充電を最大 49 kW としています(BYD 公式)。
  • テスラの車で CHAdeMO の急速充電器を使うときは、テスラの CHAdeMO アダプターの設計上の最大出力(50 kW)も上限になります(テスラ公式)。
  • 自分の車の上限は、取扱説明書・主要諸元表・メーカーの充電ページの「急速充電」の注記で確かめます。

80% を超えると遅くなる

トヨタは、満充電の近くで大電流を流すと容量低下や局所的な異常発熱につながる可能性があるため、急速充電で 80% 以上に充電する場合は充電量を抑えていると説明しています(トヨタ「bZ4X BEV 実用情報」)。メーカーの充電時間の表が「80% まで」で書かれているのはこのためです。

冷えると遅くなる

  • 電池が低温だと電流が流れにくく、低温時の急速充電では充電量を抑えているとトヨタは説明しています(同)。
  • 対策として、急速充電の前に電池の温度を最大約 25℃まで調整するバッテリープレコンディショニング機能を案内しています。約 10℃以下の時期は急速充電の 1 時間前に設定することを勧め、機能を使うと電池の残量を最大 8% 消費することがあるとしています(同)。
  • 日産 サクラ・ホンダ・スズキの公式ページも、急速充電は夏季・冬季に時間が長くなる場合があると注記しています。

何度も続けて急速充電したとき

トヨタは bZ4X について、短期間に急速充電を何度も行い電池への負荷が一定量を超えた場合、電池にダメージを与えない速度まで急速充電を制御すると説明しています(同)。

1 回の時間の区切り

  • トヨタは、多くの急速充電器は利用者の便宜のため使用時間が 30 分に制限されていると案内しています(トヨタ「EV(電動車)の充電時間はどのくらい?」)。
  • 経済産業省の指針は、50 kW 以上の充電器なら 30 分の充電で少なくとも 10 kWh は充電できる(電費 7 km/kWh なら約 70 km 分)という考え方を示しています(「充電インフラ整備促進に向けた指針」(Q))。
  • 30 分で 80% まで入らない場合もあるので、遠出の途中で何回充電するかは、自分の車の「充電器の出力 × 30 分」で見積もると立てやすくなります。

急速充電器の出力はどう変わっていくか

経済産業省は、高速道路では 90 kW 以上で 150 kW も設置し、高速道路以外でも 50 kW 以上を目安に、平均出力を約 40 kW から約 80 kW に倍増させる方針を示しています(2023 年 10 月「充電インフラ整備促進に向けた指針」)。2024 年度末時点で急速充電器は約 1.2 万口で、90 kW 以上の高出力化が進んでいます(経済産業省・2025 年 5 月末時点の推計)。

料金の決まり方

時間課金と kWh 従量課金

方式 払い方 特徴
時間課金 充電した時間(分)で払う 同じ時間でも、車の受け入れや温度で入る電力量が変わる
kWh 従量課金 充電した電力量(kWh)で払う 入った電気の量に応じて払う
  • 経済産業省の指針は、充電事業の継続性とユーザーの納得度の観点から、kWh 従量課金を 2025 年度からサービスとして実現することを目指すとしています。一方で、充電器の出力や稼働率によっては時間課金や両方の組み合わせが適する場所もあるため、課金方法は充電事業者の方針を尊重するとしています(「充電インフラ整備促進に向けた指針」(O))。
  • 実際の料金と方式は、充電器の運営事業者や充電カードの会員規約で確かめます。

kWh で料金を取るための計量のルール

  • 電気の量で取引する場合、計量法では原則として検定に合格した特定計量器を使います。
  • 2022 年 4 月から、EV の充放電設備などに付いた計量機能を、届出などの要件を満たせば取引に使える「特定計量制度」が始まっています(経済産業省「特定計量制度に係るガイドライン」)。

メーカーの充電サービス(仕組み)

メーカー サービス 仕組み(公式の説明の範囲)
日産 ZESP3 e-Mobility Power の充電スポットで使えるカード。無料充電時間付きの「プレミアム」と都度課金の「シンプル」。基本料金+充電料金で、充電時間は 1 分単位に切り上げ
トヨタ TEEMO トヨタ・レクサスの販売店と e-Mobility Power 提携の充電器で使える。急速充電は充電器の出力の区分(50 kW 以下・50 kW 超 150 kW 未満・150 kW 以上)ごとの分単価
ホンダ Honda Charge・e-Mobility Power カード Honda Charge は検索・取り置き・充電・決済などの機能で、基本料金無料で会員登録できる

(各社公式・2026 年 10 月時点。料金はプランと時期で変わるので、各社の料金表で確かめてください)

自宅の普通充電と組み合わせる

メーカーは、自宅や宿泊施設など長く停める場所では普通充電、休憩や買い物の合間には急速充電を案内しています(日産・トヨタ公式)。自宅の電気代は EV の自宅充電の電気代、充電口の種類は EV の充電規格、冬の航続距離は EV の航続距離の読み方 を見てください。

例に出した トヨタ bZ4X・日産 サクラ・ホンダ N-ONE e:・BYD RACCO の車種ページでは、グレードごとの電費と一充電走行距離を見られます。

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