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EV・電動車

電気自動車を買う前に確かめること:航続距離・充電の時間と場所・自宅(集合住宅)の充電設備・補助金・車両重量・寒さの影響

電気自動車(EV)の「デメリット」と言われる点を、買う前に確かめる 7 つの項目として、経済産業省・国土交通省・次世代自動車振興センター・メーカー公式の資料から整理。一充電走行距離の読み方、公共の充電器の数と充電の時間、戸建てと集合住宅での充電設備、補助金の受付、車両重量、冬の航続距離と充電時間まで。

最終更新:

電気自動車(EV)を買う前に確かめることは、①一充電走行距離と自分の 1 日の距離、②外出先の充電器と充電にかかる時間、③自宅に充電設備を置けるか(集合住宅は特に)、④車両価格と補助金の受付時期、⑤車両重量、⑥寒い時期の航続距離と充電時間、⑦電池の保証の 7 つです。どれも「EV だから悪い」という話ではなく、使い方と住まいで答えが変わる項目なので、一次資料の数字と自分の条件を並べて確かめます。

当サイトに収録している EV・PHEV の車種数は次のとおりです。EV の車種一覧 からグレードごとの一充電走行距離・電費・補助金を見られます。

動力車種グレード(グレード × 駆動)
ガソリン163725
ハイブリッド160665
PHEV5298
EV86252
ディーゼル49138
FCV47

当サイトの収録数(自動更新)。1 つの車種に複数の動力があれば、それぞれに数えます。

確かめる 7 項目の一覧

項目 確かめること 見る資料
① 一充電走行距離 カタログ値(WLTC)と、自分の 1 日・1 回の遠出の距離 主要諸元表・車種ページ
② 外出先の充電 通る道の急速充電器、1 回の充電でどこまで入るか 経産省の整備状況・メーカーの充電時間の表
③ 自宅の充電設備 200V の充電設備を置けるか、集合住宅なら管理組合・事業者 メーカーの設置案内・経産省の指針
④ 価格と補助金 国と自治体の補助、受付の終了時期 次世代自動車振興センター・自治体
⑤ 車両重量 同じ車格のガソリン車との差 主要諸元表・車種ページ
⑥ 寒さ 冬の航続距離と急速充電の時間、暖房の装備 メーカーの Q&A・取扱説明書
⑦ 電池の保証 年数・距離・容量の基準 メーカーの保証書・保証ページ

① 一充電走行距離と自分の距離

  • カタログの一充電走行距離は「1 回の充電で走行可能な距離」で、国際的な試験のしかた(WLTC モード)で測った値です(国土交通省「表示事項等について」)。同じ表に、1 km 走るのに要る電力量の交流電力量消費率(Wh/km)も載ります。
  • トヨタは、カタログ値と実際の航続距離に差が出る理由として、エアコン(暖房)・外気温・走り方(速度)・タイヤを挙げています。EV はエンジンの排熱を暖房に使えないため、暖房の消費電力で航続距離が短くなる傾向があり、モーターの特性上、速度が高いほど負荷がかかるとしています(トヨタ「bZ4X BEV 実用情報」)。
  • 毎日の通勤・買い物の距離と、年に何回かの遠出の距離を分けて、遠出は途中で充電する前提で考えると、必要な一充電走行距離がはっきりします。

読み方の詳しい説明は EV の航続距離(一充電走行距離)の読み方 にまとめています。

② 外出先の充電器と、充電にかかる時間

  • 経済産業省の推計では、2024 年度末時点で公共の充電器は約 6.8 万口(急速約 1.2 万口・普通約 5.6 万口)です。2023 年度末から約 2.8 万口増え、急速充電器は 90 kW 以上の高出力化が進んでいます(経済産業省「充電インフラ整備促進に関する取組」・2025 年 5 月末時点の推計)。
  • 国の目標は、2030 年に公共用の急速充電器 3 万口を含む 30 万口です(2023 年 10 月「充電インフラ整備促進に向けた指針」)。
  • 急速充電は充電器の出力と車側の受け入れで時間が変わります。トヨタは bZ4X で、10% から 80% までの時間を出力 50 kW で約 60 分、90 kW で約 40 分、150 kW で約 28 分としています(電池温度約 25℃・社内規定)。また、多くの急速充電器は 1 回の使用時間が 30 分に制限されているとしています(トヨタ「EV(電動車)の充電時間はどのくらい?」)。

充電器の数の推移と数え方は EV 充電器の数、充電口の種類は EV の充電規格(CHAdeMO と普通充電・NACS)、時間と料金の決まり方は 急速充電の時間と料金のしくみ で説明しています。

③ 自宅に充電設備を置けるか

戸建て

  • 自宅で使うのは主に 200V の普通充電で、電気工事が要ります。日産は戸建ての標準的な工事を「1 日目に現地調査、2 日目に施工 3〜4 時間」と案内しています(家屋の状況で変わります)。
  • 契約アンペアの変更が要る場合があるので、契約している電力会社に相談するよう日産は案内しています。費用の目安と工事の注意は EV の自宅充電の電気代 にまとめています。

マンション・アパート(集合住宅)

  • 経済産業省の指針は、集合住宅のうち既築は管理組合の合意形成が必要で、都心部に多い機械式駐車場は設置できるものが限られ、費用も高いことを課題に挙げています(「充電インフラ整備促進に向けた指針」(E))。
  • 日産は、集合住宅や賃貸駐車場は充電設備の設置サービスを提供している事業者に相談するよう案内し、設置には数か月かかるとしています(日産「自宅で充電」)。
  • 国の充電設備の補助には、竣工予定が 2027 年度の新築集合住宅の普通充電器に限った年度またぎの公募が予定されています(申請受付は 2026 年 10 月〜11 月中旬の想定・2026 年 10 月時点・次世代自動車振興センター)。
  • 自宅で充電できない場合は、職場や近所の公共の充電器で足りるかを、② の数と時間で確かめます。

④ 車両価格と補助金

  • EV・PHEV には国の CEV 補助金が出ます。区分ごとの上限は次の表のとおりで、実際の額は車種・グレードごとに決まります。
新車新規登録日電気自動車 A(普通・小型乗用)電気自動車 B(軽乗用など)プラグインハイブリッド燃料電池自動車
令和7年12月16日~令和7年12月31日900,000 円580,000 円600,000 円2,550,000 円
令和8年1月1日~令和8年3月31日1,300,000 円580,000 円850,000 円2,550,000 円
令和8年4月1日以降1,300,000 円580,000 円850,000 円1,500,000 円

区分ごとの補助の上限で、実際の額は車種・グレードごとに決まる(車種ページに国の補助金の額)。A: 普通・小型乗用の EV(一充電走行距離 160 km 以上)、B: 軽乗用などの EV、PHEV は EV 走行換算距離 40 km 以上。メーカー希望小売価格(税抜)が 840 万円以上の車は、算定額か上限の低いほうに 0.8 を掛けた額。

出典: 次世代自動車振興センター「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金 交付規程」別表 1・2(取得日 2026-10-12)

  • 令和 7 年度補正の CEV 補助金は申請が先着順で、受付終了の見込みは 2026 年 12 月上旬〜下旬です(2026 年 10 月 9 日・次世代自動車振興センター)。車を登録してから申請する仕組みなので、納車の時期と合わせて確かめてください。しくみは 国の CEV 補助金、自治体の補助は 自治体の EV 補助金の調べ方 にあります。
  • 比べるのはメーカー希望小売価格(税込)で、支払総額ではありません。

⑤ 車両重量

EV は床下に駆動用電池を積むため、同じ車格のガソリン車と車両重量が違います。例として、軽の EV の日産 サクラと、ガソリン車の日産 デイズを並べます(重量の行を見てください)。

日産 サクラ日産 デイズ
価格(税込)2,448,600〜2,998,600 円1,500,400〜2,217,600 円
動力EVガソリン・ハイブリッド
全長(mm)3,3953,395
全幅(mm)1,4751,475
全高(mm)1,6551,650〜1,670
ホイールベース(mm)2,4952,495
車両重量(kg)1,070〜1,090840〜940
WLTC 燃費—19.4〜23.2 km/L
燃料代の目安(年)38,440 円73,362〜87,732 円
5 年総額の目安(車両価格+税・自賠責・燃料。EV 等は国の補助金を引いた後)2,149,370〜2,699,370 円1,974,480〜2,692,430 円
最小回転半径4.8 m4.5〜4.8 m
室内長×室内幅×室内高(mm)2,115×1,340×1,2702,065×1,340×1,270
電気で走れる距離(EV の一充電走行距離・PHEV のプラグインレンジ)180 km—
電池の容量20 kWh—
定員4 人4 人
駆動2WD2WD・4WD
タイヤ155/65R14・165/55R15155/65R14・165/55R15
販売台数(最新月の順位)18 位・853 台(2026 年 8 月)12 位・2,157 台(2026 年 8 月)
グレード数320

メーカー公式の主要諸元表・価格表から、全グレードの幅(最小〜最大)。価格はメーカー希望小売価格(税込)で、支払総額ではない。販売台数は自販連・全軽自協の通称名の台数(同じ通称名の別ボディを含むことがある)。グレードごとの値は各車種ページ: サクラ・デイズ

車両重量は自動車重量税の区分や、立体駐車場などの重量の制限に関わります。自分が使う駐車場の制限は、駐車場の管理者に確かめてください。

⑥ 寒い時期の航続距離と充電時間

  • トヨタは、外気温が下がると電池の温度も下がり、航続距離の低下や充電時間の延長が起きることがあるとし、これは電池の容量の低下ではないと説明しています(トヨタ「bZ4X BEV 実用情報」)。
  • 低温の電池に短時間で大電流を流すと容量低下や局所的な発熱につながる可能性があるため、低温時の急速充電は充電量を抑えているとしています。対策として、急速充電の前に電池を温めるバッテリープレコンディショニング機能を案内しています(同)。
  • 暖房の消費電力を減らす装備(ヒートポンプ式エアコン・シートヒーター・ステアリングヒーターなど)は車種で違うので、装備表で確かめます。寒冷地での読み方は EV の航続距離の読み方 にあります。

⑦ 電池の保証

駆動用電池の保証は、メーカーごとに年数・走行距離・容量の基準が違います。メーカー別の一覧は EV のバッテリー保証 にまとめています。

停電のときの電源として使うか

EV の電気を家に送る V2H や、家電に給電する V2L は、車と別に機器が要ります。対応する車と国の補助は V2H とは で説明しています。

車種を絞り込む

例に出した 日産 サクラ や トヨタ bZ4X の車種ページでは、グレードごとの一充電走行距離・電費・補助金・維持費を並べて見られます。

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