EV 充電器の数(日本)|充電スポットの口数の推移・急速と普通の内訳・2030 年 30 万口の目標と数え方の違い
日本の EV 用充電器は、2024 年度末時点で約 6.8 万口(急速 約 1.2 万口・普通 約 5.6 万口)と経済産業省が推計しています。口数の推移、2030 年に 30 万口(公共用の急速 3 万口を含む)とする政府の目標、急速充電器の高出力化、口数・基数・箇所数といった数え方の違いを、経済産業省の「充電インフラ整備促進に向けた指針」と公表資料から整理します。
日本の EV 用の充電器は、2024 年度末時点で約 6.8 万口(急速 約 1.2 万口・普通 約 5.6 万口)です(経済産業省「充電インフラの整備状況」。2025 年 5 月末時点の推計)。政府は「2030 年に充電インフラ 30 万口の整備(公共用の急速充電器 3 万口を含む)」を目標にしています(経済産業省「充電インフラ整備促進に向けた指針」2023 年 10 月)。
充電器の口数の推移
経済産業省の資料のグラフでは、充電器の口数は次のように増えています(各年 3 月時点)。
| 時点 | 充電器の合計 | うち急速充電器 |
|---|---|---|
| 2022 年 3 月 | 約 3 万口 | 約 0.8 万口 |
| 2023 年 3 月 | 約 3.2 万口 | 約 0.9 万口 |
| 2024 年 3 月 | 約 4 万口 | 約 1 万口 |
| 2025 年 3 月(2024 年度末) | 約 6.8 万口 | 約 1.2 万口 |
- 出典: 経済産業省「充電インフラの整備状況」1 ページ目のグラフの値。2024 年度末の値と「2023 年度末から 2024 年度末で約 2.8 万口の増加」は、同じページの本文にあります。
- 普通充電器は「基礎」(集合住宅・月極駐車場・事務所・工場など)と「目的地」(商業施設・宿泊施設など)に分けて数えています。経済産業省は、基礎は集合住宅(賃貸)を中心に、目的地は商業施設・宿泊施設等で整備が進んだとしています(同資料)。
- 経済産業省の注記では、値は「2025 年 5 月末時点で、ゼンリン、充電事業者のデータを基に経産省が推計したもの」で、「今後見直しにより変動する可能性」があります。
政府の目標 — 2030 年に 30 万口
経済産業省は 2023 年 10 月に「充電インフラ整備促進に向けた指針」を作り、目標をそれまでの 15 万口から倍の 30 万口にしました。指針の言葉では、次の 3 つを勘案した数です。
- 新車販売の市場規模や EV 等の普及の見通し
- 住宅環境、車両の大きさ、平均的な走行距離などの状況
- 充電器の設置が見込まれる施設の数や規模、自治体や企業等における整備の方針
指針は口数のほか出力の目標も置いています。急速充電の平均出力を「現在の約 40kW から 80kW まで倍増」させ、充電器全体の総出力を「現在の約 39 万 kW から 10 倍に相当する約 400 万 kW」にすることを目指すとしています。どちらも「目安の数値」で、技術や普及の状況を踏まえて「不断に見直す」とされています。
2024 年度末の約 6.8 万口は、30 万口の約 23% です(計算: 当サイト。6.8 ÷ 30)。
急速充電器は高出力化が進んでいる
- 指針の時点(2023 年 3 月)では、急速充電器の約 9 千口のうち e-Mobility Power のネットワークにある約 8 千口は、50kW 未満が 57%、50kW 以上 90kW 未満が 31%、90kW 以上が 12% でした。
- 2025 年 3 月時点では、e-Mobility Power のデータで、急速充電器はこの 1 年間で約 700 口増え、50kW 未満が 1,400 口程度減った一方で 90kW 以上は 1,000 口以上増え、90kW 以上が全体の 3 割程度になりました(経済産業省「充電インフラの整備状況」2 ページ目)。
- 経済産業省は、高速道路では 90kW・150kW の充電器を設置するなど、高出力化で充電時間を短くする方針を示しています。
数え方の違い — 口数・基数・箇所数
充電器の数は、資料によって単位が違います。
- 口数(くちすう): 経済産業省の目標(30 万口)と整備状況は「口」で数えています。
- 基数(きすう): 指針の中でも、充電設備の「基数」という言葉を使っている箇所があります(バリアフリー対応の調査など)。
- 箇所数: 充電スポットの場所の数で数える資料もあります。1 か所に何台の充電器があるかは場所ごとに違います。
単位が違う数は、そのままでは比べられません。また、経済産業省の約 6.8 万口のうち普通充電器(基礎)は「集合住宅、月極駐車場、事務所・工場等における経産省補助実績の累計」で、だれでも使える公共の充電器だけの数ではありません(同資料の出典の注記)。
料金と補助の制度
- 料金: 経済産業省は、充電した電力量(kWh)に応じた課金について「2025 年度からのサービスの実現を目指」すとしています(「充電インフラ整備促進に関する取組」)。
- 予算: 令和 6 年度補正 360 億円と令和 7 年度当初 100 億円の計 460 億円を措置したとしています(V2H・充てんインフラを含む)。
- 補助金: 充電設備の設置には、次世代自動車振興センター(NeV)が窓口の「充電設備補助金」があります。受付の期と結果は NeV のお知らせで公表されます。自宅の充電設備の費用と電気代は 自宅充電の電気代 にあります。
EV・PHEV の台数との関係
充電器を使う EV・PHEV の保有台数は、2025 年 3 月末で EV 358,262 台・PHEV 287,352 台です(次世代自動車振興センター「EV 等 保有台数統計」。EV には軽自動車 136,696 台を含む)。新車販売と保有台数の推移は 電気自動車の普及率 にまとめています。
当サイトで調べられること
当サイトの車種ページでは、電気自動車のグレードごとに一充電走行距離(WLTC)を出しています。航続距離の長い順は 電気自動車の航続距離ランキング、現行の EV は 電気自動車の一覧 から見られます。EV・PHEV・ハイブリッドの違いは HEV / PHEV / EV の違い にあります。
この記事に出てくる車種
この記事に出てくる用語
- 急速充電 — 大きな出力の直流で、短い時間に多くの電気を入れる充電方法。高速道路のサービスエリアや道の駅、コンビニなど、移動の途中に寄る場所に置かれることが多い。
- 普通充電 — 家庭や施設のコンセント・普通充電器から、小さめの出力で時間をかけて充電する方法。自宅や宿泊施設など、長く駐車する場所での充電に向く。
- 新車販売台数 — 一定の期間に売れた新車の台数。登録車は日本自動車販売協会連合会(自販連)、軽自動車は全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がそれぞれ集計して公表している。
- e-Mobility Power — 全国の急速充電器と普通充電器をネットワークでつなぎ、充電サービスを提供している会社。ネットワークにつながった充電器は、自動車メーカーなどが…
- ネット値 — エンジンを車に積んだ状態に近い条件で測った、出力やトルクの値。エンジン単体で測った「グロス値」より低い値になる。
- 充電スポット — 外出先で電気自動車やプラグインハイブリッド車を充電できる場所。普通充電器や急速充電器が置かれ、目印に「CHARGING POINT」のマー…
- V2H 充放電設備 — 電気自動車やプラグインハイブリッド車への充電と、車の電池から家などへ電気を送る放電の両方ができる設備。停電のときに車を家の電源として使える。
- 次世代自動車 — 運輸部門の二酸化炭素を減らすために、国が普及を目指している車をまとめた呼び方。ハイブリッド車・電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電…
- 充電設備等導入促進補助金 — 電気自動車などの充電設備や、燃料電池自動車の水素を補給する設備を設ける人に国が出す補助金。戸建て住宅の充電用コンセントも対象の区分に入っている。
- プラグインハイブリッド車(PHEV) — ハイブリッド車に、コンセントなど外から充電できる機能と大きめの電池を加えた車。電気だけで走れる距離が長く、電気が減ってもエンジンで走り続けられる。
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