1 2 3

EV・電動車

電気自動車とガソリン車の維持費の比べ方:補助金・自動車税・重量税・燃料代と電気代を同じ車格で計算する

EV とガソリン車・ハイブリッド車の費用を比べるときの項目と計算のしかた。車両価格から引ける補助金、2026 年 3 月で廃止された環境性能割、EV の重量税の免税と自動車税の翌年度軽減、燃料代と電気代の計算式、自賠責は同じこと。サクラとデイズ、bZ4X と RAV4 を当サイトの車種ページで比べる手順まで、国土交通省・資源エネルギー庁などの一次資料から整理します。

最終更新:

EV とガソリン車の費用は、①車両価格から補助金を引いた額、②税金(自動車税・重量税)、③燃料代と電気代、④自賠責の 4 つを同じ前提でそろえると比べられます。EV は国の補助金が出て、重量税は新車時と初回の車検が免税、自動車税も登録の翌年度が軽くなります。燃料代は「燃費(電費)× 走る距離 × 単価」で出します。自賠責保険は車の種類(登録車か軽か)で決まり、EV もガソリン車も同じ額です。

当サイトの車種ページの「維持費と 5 年総額」は、この計算をグレードごとに済ませています(前提: 自家用の新車を登録して 5 年、年 1 万 km)。

比べる項目の一覧

項目 EV ガソリン車・ハイブリッド車 一次資料
国の購入補助(CEV 補助金) 対象(車種ごとの額) 対象外 NeV 交付規程
環境性能割(取得時の税) 2026 年 3 月 31 日で廃止 同じく廃止 国交省 税制改正の結果概要
自動車重量税(新車時) 免税 燃費基準の達成度で免税〜減税なし 国交省 税額表
自動車重量税(初回の車検) 免税 燃費基準 125% 達成などの一部が免税 同上
自動車税(毎年) 最も低い区分(1 L 以下) 総排気量で決まる 地方税法
自動車税(登録の翌年度) 概ね 75% 軽減 軽減なし 地方税法 附則
燃料代・電気代 電費 × 距離 × 電気の単価 燃費 × 距離 × ガソリン価格 資源エネルギー庁・家電公取協
自賠責保険 車の種類で同じ 同じ 損害保険料率算出機構

① 車両価格から補助金を引く

  • 比べるのはメーカー希望小売価格(税込)です。値引き・オプション・登録費用は入っていないので、支払総額とは違います。
  • EV・PHEV・FCV には国の CEV 補助金が出ます。額は車種・グレードごとに決まり、ハイブリッド車とガソリン車には出ません。しくみは 国の CEV 補助金。
  • 住んでいる都道府県・市区町村の補助も重ねられることがあります(自治体の EV 補助金の調べ方)。

② 税金

環境性能割は 2026 年 3 月 31 日で廃止

車を買ったときにかかっていた自動車税・軽自動車税の環境性能割は、2026 年 3 月 31 日をもって廃止されました(国土交通省「令和 8 年度 自動車関係税制改正の結果概要」)。2026 年 4 月以降に買う車には、EV でもガソリン車でもかかりません。

自動車重量税

重量税は車両重量で決まり、新車登録のときに 3 年分、車検のたびに 2 年分を納めます。

  • EV・FCV・PHEV・天然ガス車は、2026 年 5 月 1 日以降の新車新規登録で免税で、初回の継続検査(最初の車検)も免税です(国交省の結果概要。初回の車検は、車検証の有効期間が満了してから 15 日以内に交付を受けた場合に限る)。
  • ガソリン車・ハイブリッド車は、令和 12 年度燃費基準の達成度で免税・75%・50%・25% 減税・減税なしに分かれます。
車両重量75% 減税50% 減税25% 減税本則減税なし
0.5 t 以下1,800 円3,700 円5,600 円7,500 円12,300 円
0.5 t 超 1 t 以下3,700 円7,500 円11,200 円15,000 円24,600 円
1 t 超 1.5 t 以下5,600 円11,200 円16,800 円22,500 円36,900 円
1.5 t 超 2 t 以下7,500 円15,000 円22,500 円30,000 円49,200 円
2 t 超 2.5 t 以下9,300 円18,700 円28,100 円37,500 円61,500 円
2.5 t 超 3 t 以下11,200 円22,500 円33,700 円45,000 円73,800 円
軽自動車1,800 円3,700 円5,600 円7,500 円9,900 円

新車の新規登録時に 3 年分を納める自家用乗用車の税額。エコカー減税の区分(免税・75%・50%・25%)は燃費基準の達成度で決まる。

出典: 国土交通省「2026年5月1日からの自動車重量税の税額表」(新車新規登録等時・継続検査等時)(取得日 2026-10-11)

2 回目以降の車検は、原則として、減税の要件を満たす車は「エコカー(本則)」の欄の額です(国交省の結果概要)。

車両重量エコカー(本則)エコカー以外13 年経過18 年経過
0.5 t 以下5,000 円8,200 円11,400 円12,600 円
0.5 t 超 1 t 以下10,000 円16,400 円22,800 円25,200 円
1 t 超 1.5 t 以下15,000 円24,600 円34,200 円37,800 円
1.5 t 超 2 t 以下20,000 円32,800 円45,600 円50,400 円
2 t 超 2.5 t 以下25,000 円41,000 円57,000 円63,000 円
2.5 t 超 3 t 以下30,000 円49,200 円68,400 円75,600 円
軽自動車5,000 円6,600 円8,200 円8,800 円

車検(継続検査)ごとに 2 年分を納める自家用乗用車の税額。

出典: 国土交通省「2026年5月1日からの自動車重量税の税額表」(新車新規登録等時・継続検査等時)(取得日 2026-10-11)

自動車税(毎年)

自家用の乗用車は総排気量で年額が決まります。表の下の注のとおり、総排気量の値がない EV は最も低い区分(1 L 以下)です。

総排気量年税額(自家用乗用・2019 年 10 月 1 日以後に新規登録)
1 L 以下25,000 円
1 L 超 1.5 L 以下30,500 円
1.5 L 超 2 L 以下36,000 円
2 L 超 2.5 L 以下43,500 円
2.5 L 超 3 L 以下50,000 円
3 L 超 3.5 L 以下57,000 円
3.5 L 超 4 L 以下65,500 円
4 L 超 4.5 L 以下75,500 円
4.5 L 超 6 L 以下87,000 円
6 L 超110,000 円

総排気量の値を有しない電気自動車は最低の区分(1 リットル以下)。

出典: 地方税法 第 154 条・第 448 条、附則第 12 条の 3・第 30 条(e-Gov 法令検索)(取得日 2026-10-11)

EV・FCV・PHEV・天然ガス車は、決められた期間に新車で登録すると、登録の翌年度の 1 年分が概ね 75% 軽くなります(グリーン化特例の軽課。国交省の結果概要)。ハイブリッド車とガソリン車は対象外です。

税通常の年税額翌年度の税額(概ね 75% 軽減)
自動車税25,000 円6,500 円
自動車税30,500 円8,000 円
自動車税36,000 円9,000 円
自動車税43,500 円11,000 円
自動車税50,000 円12,500 円
自動車税57,000 円14,500 円
自動車税65,500 円16,500 円
自動車税75,500 円19,000 円
自動車税87,000 円22,000 円
自動車税110,000 円27,500 円
軽自動車税(電気軽自動車)10,800 円2,700 円

対象: 電気自動車・燃料電池自動車・プラグインハイブリッド等で、令和七年四月一日から令和十年三月三十一日までの間に新規登録したもの(登録の翌年度分だけ)。

出典: 地方税法 第 154 条・第 448 条、附則第 12 条の 3・第 30 条(e-Gov 法令検索)(取得日 2026-10-11)

軽自動車は EV もガソリン車も同じ軽自動車税です。軽の EV も、登録の翌年度分が概ね 75% 軽くなります(国交省の結果概要「軽自動車税のグリーン化特例」)。

区分年税額
軽自動車(自家用乗用・2015 年 4 月 1 日以後に最初の新規検査)10,800 円

出典: 地方税法 第 154 条・第 448 条、附則第 12 条の 3・第 30 条(e-Gov 法令検索)(取得日 2026-10-11)

自動車税の詳しい説明は 自動車税はいくら? にあります。

③ 燃料代と電気代

計算式

  • ガソリン車・ハイブリッド車: 1 年の燃料代 = 年間の走行距離(km)÷ WLTC モード燃費(km/L)× ガソリン価格(円/L)
  • EV: 1 年の電気代 = 年間の走行距離(km)× WLTC 電費(Wh/km)÷ 1,000 × 電気の単価(円/kWh)
  • PHEV: 電気で走る割合と燃料で走る割合で変わります。当サイトの車種ページは、燃料で走るときの燃費で出しています。

単価は次の表の値を使います。ガソリン・軽油は資源エネルギー庁の石油製品価格調査(原則として毎週月曜日に調べて水曜日に公表・全国平均)、電気は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価です。

燃料全国平均(現金・税込)調査日
レギュラーガソリン170.2 円/L2026-10-05
ハイオクガソリン181 円/L2026-10-05
軽油159.6 円/L2026-10-05

出典: 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」給油所小売価格(全国・現金・税込)(取得日 2026-10-11)

電気目安単価改定
家庭の電気(目安)31 円/kWh令和4年7月22日

出典: 全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金の目安単価」

例: 年 1 万 km 走るとき

日産 サクラ(S)の WLTC 電費は 124 Wh/km(日産の主要諸元・当サイトの車種ページに収録)なので、1 万 km で使う電気は 10,000 × 124 ÷ 1,000 = 1,240 kWh です。これに上の表の電気の単価を掛けると 1 年の電気代になります。同じ距離をガソリン車で走るなら、1 万 km ÷ 燃費で使うガソリンの量を出し、表のレギュラーガソリンの価格を掛けます。

自分の単価に置き換える

  • 電気の目安単価は、全小売電気事業者の販売電力量と販売額の集計などから出した全国の目安です(家電公取協)。自分の単価は契約で違うので、電気の請求明細の「使用量(kWh)」と「請求額」から自分の 1 kWh あたりを出して置き換えると、家計に近くなります。時間帯で単価が変わる契約は 自宅で充電する電気代 を見てください。
  • ガソリン価格も地域と店で違います。表の値は全国平均(現金・税込)です。
  • WLTC モードの燃費・電費は決められた試験のしかたで測った値で、実際の燃費・電費は走り方・季節・道路で変わります。

④ 自賠責保険は同じ

自賠責保険の基準料率は、自家用の乗用車か軽自動車かで決まります。動力(EV かガソリンか)では変わりません。

料率車種24 か月25 か月36 か月37 か月
適用中(2023-04-01 以後に始まる契約)自家用乗用自動車17,650 円18,160 円23,690 円24,190 円
適用中(2023-04-01 以後に始まる契約)軽自動車(検査対象車)17,540 円18,040 円23,520 円24,010 円
次の料率(2026-11-01 以後に始まる契約)自家用乗用自動車18,560 円19,070 円24,690 円25,180 円
次の料率(2026-11-01 以後に始まる契約)軽自動車(検査対象車)18,660 円19,170 円24,830 円25,330 円

保険期間の始まる日で料率が決まる。離島以外の地域(沖縄県を除く)。

出典: 損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率」(取得日 2026-10-11)

電池と充電設備について一次資料で言えること

  • 電池の保証: メーカーごとに決まっています。例えば日産 サクラは、リチウムイオンバッテリーの容量を新車登録から 8 年または 16 万 km(早いほう)まで保証しています(日産公式・2026 年 10 月時点)。保証の条件は車種ごとに公式ページで確かめてください。
  • 自宅の充電設備: 工事の内容で費用が違います。戸建て住宅に EV 用の 200V コンセントを付ける費用には、国の補助(設備の購入費と工事費、1 基あたり上限 5 万円・令和 7 年度補正・NeV 交付規程)があります。くわしくは 自宅で充電する電気代。

任意保険・駐車場代・点検整備・タイヤの費用はこの比較に入れていません。

同じ車格で比べる手順(当サイト)

  1. 比べる 2 台の車種ページを開く。軽自動車なら 日産 サクラ(EV)と 日産 デイズ(ガソリン)、SUV なら トヨタ bZ4X(EV)と トヨタ RAV4(ハイブリッド・PHEV)。
  2. 「維持費と 5 年総額」の表で、自動車税・重量税・自賠責・燃料代の欄を同じグレード帯で見比べる。
  3. EV は「国の補助金(CEV)」の欄と、補助金を引いた 5 年総額を見る。
  4. 地域の補助がある人は、EV の車種ページの「お住まいの地域の補助金」で都道府県と市区町村を選ぶ。
  5. 電気とガソリンの単価を自分の契約・地域の値に置き換えたいときは、上の計算式で燃料代の欄だけ計算し直す。

EV・ハイブリッド・PHEV の仕組みの違いは HEV・PHEV・EV・FCV の違い で説明しています。

この記事に出てくる車種

EV・電動車の記事