PHEV(プラグインハイブリッド)とは:EV 走行換算距離とプラグインレンジの違い、ハイブリッド燃料消費率の意味、充電しないで使うとき、普通充電・急速充電の対応を 4 車種で比較
PHEV のカタログに並ぶ「EV 走行換算距離(等価 EV レンジ)」「充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ)」「ハイブリッド燃料消費率」「交流電力消費率」などの意味を国土交通省の資料で確かめ、充電しないで使う場合にどの数字を見るか、普通充電と急速充電の対応が車種で違うことを、三菱 アウトランダー PHEV・トヨタ RAV4・マツダ CX-60・BYD SEALION 6 の公式資料で整理します。
PHEV(プラグインハイブリッド車)は、外から充電した電気でモーター走行し、電気が減るとエンジンを使うハイブリッドとして走る車です(次世代自動車振興センターは「コンセントから直接充電できる機能を持ったハイブリッド自動車」と説明)。カタログには電気で走れる距離が 2 つ(EV 走行換算距離と充電電力使用時走行距離)、燃費が 2 つ(ハイブリッド燃料消費率と充電電力使用時燃料消費率)載ることがあり、充電しないで使うなら「ハイブリッド燃料消費率」が当てはまります。急速充電に対応するかどうかは車種で違います。
カタログの数字の意味
国土交通省の資料は、PHEV の諸元を次のように説明しています。
| 項目(別名) | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| EV 走行換算距離(等価 EV レンジ) | 外部充電で電気走行可能な距離 | km |
| 充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ) | 外部充電で電気走行し、完全に燃料走行に切り替わるまでの走行距離(CD レンジ) | km |
| 交流電力消費率 | 外部充電 1 kWh あたりの走行可能な距離(CD 電費) | km/kWh |
| 充電電力使用時燃料消費率(プラグイン燃料消費率) | CD 走行時の燃料消費率(CD 燃費) | km/L |
| 一充電消費電力量 | 1 回の充電後、完全に燃料走行に切り替わるまでの消費電力量 | kWh/回 |
| ハイブリッド燃料消費率 | 外部充電での電気走行の後、完全に燃料走行に切り替わってから走行した時の燃料消費率(CS 燃費) | km/L |
(国土交通省「表示事項等について」。どれも WLTC モードで測った値)
- 表の CD は外部充電した電気を使って走る間、CS は完全に燃料走行に切り替わった後(ハイブリッド走行)を指します(同じ資料の各項目の説明から)。
- 「EV 走行換算距離」と「充電電力使用時走行距離」は定義の違う別の数字です。メーカーによってカタログや Web ページで大きく載せる方が違うので、車種同士を比べるときは同じ項目どうしで並べてください。
ユーティリティファクター
国土交通省の資料は、PHEV の燃費性能を評価するとき、CD 走行と CS 走行の効率をユーティリティファクター(UF)で重み付けして合わせるとしています。UF は、その車が不特定多数の人に使われるとき、1 日の走行距離のうち統計的に期待されるプラグイン走行(電気で走る)の割合を表す係数です。
充電しないで使うとき
- 充電しなければ、走りは CS 走行(ハイブリッド車として走る状態)になるので、見る燃費はハイブリッド燃料消費率です。
- 三菱は、アウトランダー PHEV は駆動用バッテリーの残量が減っても自動的にエンジンで発電しながら走行できるとしています。BYD も SEALION 6 について、自宅に充電設備がなくてもガソリンで走れると案内しています(各社公式)。
- 充電できる環境があるかで、PHEV と HEV のどちらが合うかが変わります。違いは HEV・PHEV・EV・FCV の違い にあります。
普通充電・急速充電の対応は車種で違う
| 車種 | 普通充電 | 急速充電(CHAdeMO) | 公式の記載 |
|---|---|---|---|
| 三菱 アウトランダー PHEV | ○ | ○ | 普通充電(AC200V/15A)で満充電まで約 7.5 時間、急速充電で 80% まで約 32 分(最大出力電流 105A 以上の充電器) |
| トヨタ RAV4(PHEV) | ○ | ○ | トヨタの EV LINE UP で普通・急速の両方に対応 |
| マツダ CX-60(PHEV) | ○ | ○ | 主要装備表で「普通充電ポート/急速充電ポート(CHAdeMO 規格)」が PHEV に付く |
| BYD SEALION 6 | ○(6 kW) | ○(18 kW) | 「普通(6kW)・急速(18kW)充電に対応」 |
| トヨタ プリウス(PHEV) | ○ | — | トヨタの EV LINE UP で普通充電だけ |
(各社公式・2026 年 10 月時点。時間は電池の残量・温度・充電器の仕様で変わります)
急速充電の時間のしくみは 急速充電の時間と料金、充電口の規格は EV の充電規格 にあります。
4 車種を並べる
価格帯・寸法・重量・WLTC 燃費・電池の容量・定員・駆動などを並べた表です。RAV4 と CX-60 は PHEV 以外の動力のグレードも含みます。
| 三菱 アウトランダーPHEV | トヨタ RAV4 | マツダ CX-60 | BYD SEALION 6 | |
|---|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 5,369,100〜6,901,400 円 | 4,500,000〜6,300,000 円 | 3,828,000〜6,495,500 円 | 3,982,000〜4,488,000 円 |
| 動力 | PHEV | ハイブリッド・PHEV | ガソリン・ディーゼル・PHEV | PHEV |
| 全長(mm) | 4,720 | 4,600〜4,645 | 4,740 | 4,775 |
| 全幅(mm) | 1,860 | 1,855〜1,880 | 1,890 | 1,890 |
| 全高(mm) | 1,745〜1,750 | 1,680〜1,685 | 1,685 | 1,670 |
| ホイールベース(mm) | 2,705 | 2,690 | 2,870 | 2,765 |
| 車両重量(kg) | 2,070〜2,180 | 1,710〜1,990 | 1,730〜2,100 | 1,940〜2,100 |
| WLTC 燃費 | 17.2〜17.6 km/L | 21.5〜22.9 km/L | 13〜21 km/L | 18.5〜22.4 km/L |
| 燃料代の目安(年) | 96,705〜98,953 円 | 74,323〜79,163 円 | 76,000〜130,923 円 | 75,982〜92,000 円 |
| 5 年総額の目安(車両価格+税・自賠責・燃料。EV 等は国の補助金を引いた後) | 5,240,375〜6,783,915 円 | 5,159,365〜6,073,565 円 | 4,773,795〜6,478,355 円 | 4,384,660〜4,970,750 円 |
| 最小回転半径 | 5.5 m | 5.7 m | 5.4 m | 5.4 m |
| 室内長×室内幅×室内高(mm) | 1,920×1,520×1,220・2,450×1,520×1,220 | 1,880×1,525×1,220 | 1,910×1,550×1,215・1,910×1,550×1,230 | — |
| 電気で走れる距離(EV の一充電走行距離・PHEV のプラグインレンジ) | 102〜106 km | 145〜151 km | 71 km | 90〜100 km |
| EV 走行換算距離(PHEV) | — | — | — | 90〜100 km |
| 電池の容量 | 22.7 kWh | 22.68 kWh | 17.8 kWh | 18.3 kWh |
| 定員 | 5 人・7 人 | 5 人 | 5 人 | 5 人 |
| 駆動 | 4WD | E-Four | 2WD・4WD | AWD・FWD |
| タイヤ | 255/45R20・235/60R18 | 235/60R18・235/50R20 | 235/50R20 | 235/50R19 |
| 販売台数(最新月の順位) | 50 位・777 台(2026 年 9 月) | 16 位・5,120 台(2026 年 9 月) | — | — |
| グレード数 | 9 | 4 | 16 | 2 |
メーカー公式の主要諸元表・価格表から、全グレードの幅(最小〜最大)。価格はメーカー希望小売価格(税込)で、支払総額ではない。販売台数は自販連・全軽自協の通称名の台数(同じ通称名の別ボディを含むことがある)。グレードごとの値は各車種ページ: アウトランダーPHEV・RAV4・CX-60・SEALION 6
表の「一充電走行距離」の行は、PHEV ではメーカーが載せている電気で走れる距離をそのまま入れています。車種によって EV 走行換算距離(等価 EV レンジ)だったり、充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ)だったりするため、この行で車種同士の順位を決めず、上の「カタログの数字の意味」の項目名で各社の主要諸元表を確かめてください。
電気で走れる距離と電費は、グレードごとに各車種のページで見られます: 三菱 アウトランダー PHEV・トヨタ RAV4・マツダ CX-60・BYD SEALION 6。
輸入車の値の注記
BYD SEALION 6 の仕様表は、検査機関を中国の公的機関 CATARC と注記しています。マツダ CX-60 の主要諸元表は、EV 走行換算距離などを「国土交通省審査値」と書いています。比べるときは、どの機関の値かを注記で確かめてください(各社公式)。
自分の使い方で考える
- 1 日に走る距離が、電気で走れる距離(EV 走行換算距離)に収まるかを見る。
- 自宅で普通充電できるか(設備と工事は EV の自宅充電の電気代)。
- 遠出が多いなら、急速充電に対応するかと、電気を使い切った後のハイブリッド燃料消費率を見る。
- 補助金と税は 国の CEV 補助金 と HEV・PHEV・EV・FCV の違い を見る(PHEV は CEV 補助金の条件に EV 走行換算距離があります)。
PHEV の車種一覧 から、グレードごとの燃費・電費と補助金を比べられます。同じ車名でハイブリッドと PHEV がある トヨタ プリウス も、グレードの表で両方を見比べられます。
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